ごあいさつ

　制作団体 treasure shipのホームページにお越しくださり、ありがとうございます。
　2004年秋、大阪のテレビ局での一年間のアルバイトが終わり、ちょうどポッカリ時間のできた私は、伯父の一周忌に出席するため上京しました。伯母の家に滞在中、登録していた派遣会社から、短期のお仕事のご紹介を頂き、伯母の家から仕事に通うことになりました。
　当時は関西の芸能事務所で、たまにCMや教育関連動画のお仕事をしていましたが、本格的に芝居の勉強をしたいと思っていました。数カ月滞在できるなら、映画のワークショップに参加したいと思い、東京担当マネージャーに相談したところ、映画監督主催のワークショップを紹介して頂きました。そこでの経験は、私の人生観を大きく変えました。こんな世界があったのか、と映画の世界にどんどん魅了され、夢中で映像の演技を学びました。映画監督の演技指導や、監督が何を求めているか、ワークショップ中はひたすらそのことに集中しました。不思議と次々と派遣のお仕事、映画のお仕事、舞台出演などが決まり、そのまま東京に住むことになりました。
　そんなある時、島根県の隠岐島海士町と出逢いました。初めてその土地に降り立った時、「ここで映画を撮りたい」と強く思いました。そこから、私は演じるだけでなく、右も左も解らない映画制作という世界に飛び込みました。そして、構想から10年かけて初監督作品である長編『風待ちの島』が完成しました。
　人生は、時に思いもよらない方向へと舵をきります。自分の意思なのか、何かに導かれてなのか、いまだに判りません。今こうやってホームページを作るに至っているのも、正直、不思議な気持ちです。子どもの頃からモノ作りが好きだった私にとっては、この人生の流れは幸せなことだと感じます。もちろん、ここに至るまでは様々な思いをしてきました。今、生きていることが不思議なくらい、いろんなことがありました。でも、生きている。生かされているんですね。その苦い経験が、映画の脚本を創る原動力となっています。人生を俯瞰した時、あの時の経験が今に活きている、と思えることってありませんか？
　過去の私がその時経験し努力してくれた事が今の私を助けてくれている。そして、きっと、未来の私が今の私に「こっちだよ」と手招きしてくれている事を、今の私は直感で受け取り、今の経験と努力する内容を選んでいる…と思うようになりました。
　宝島に向かう宝船（treasureship）の船長として、これからも映画を始め、ものづくりを楽しんでいきたいと思います。そして、それらを通じて、ご縁のある方々に多くの幸せを届けられる存在であれたらと願ってやみません。訪れて下さった皆さん、ありがとうございます。

　制作団体 treasure ship　
　代表　小山田モナ